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徳高祭での数学班の出し物~問題集作成と販売,因数分解コンクール~

1 問題集作成と販売
 ⑴ 経緯
徳高祭(9月14,15日開催)の文化部参加では6月初旬に部活企画書を出す必要があるが,この時点で班員から昨年と同様に「因数分解コンクール」だけでなく「問題集の販売」もやってみたいという要望があり,この2つを数学班の出し物にすることになった。
昨年は,数学ⅠA,ⅡB,ⅢCの3種類の問題と解答をセットにして,各セットをそれぞれ20冊,20冊,10冊ほど印刷,製本し,それぞれ100円で販売するということであったが,実際には文化祭初日に大幅に増刷し,完売した。しかし,印刷に時間がかかった(印刷用紙は用意し,職員室の複合機を使用した)ことを反省し,今年は問題と解答は別にしないで,問題を上部にその解答を下部に載せる形にした。その方が印刷・製本の時間を軽減できるからである。また,数学ⅠA,ⅡB,ⅢCとしないで,分野別の問題集にすることにした。
問題集の表題は「整数(28問)」「図形(20問)」「場合の数・確率(18問)」「最大・最小,大小比較(20問)」の4分野で,それぞれ100円での販売予定であったが,できるだけ多くの人(生徒,教員,保護者,来校者)に作成問題を見てもらいたいという気持ちがあり,完売を目指して4分野全セットを200円で販売することにした。
 ⑵ 作成した問題集
作成に関わったのは2年次生5名である。夏休み中に問題をWordで作成し,それに解答を入力する生徒もいれば,プリントアウトしたものに直接手書きで解答を書く生徒もいた。

 ⑶ 問題集の販売風景
販売場所は昨年と同じであるが,違うのは次のような点である。昨年は問題集と解答集は別売であったが,今回は問題+解答で1冊になっていて,4種類あるが,4冊セットで200円,つまり半額で買えるようにしたことである。生徒も商売上手である。上は文化祭が始まる前,生徒が販売の準備をした状態である。昨年と同様に売れ行きは好調で,昨年と同様に文化祭初日に増刷し,完売した。本校の生徒だけでなく,本校教員(数学),来校者にも購入して頂いた。下の写真の男性(右)は本校校長(数学)である。問題集の内容について尋ねられているようである。(購入もしていただいた。)日頃の勉強では教科書や問題集等の問題を,試験では教員や模試会社の作成した数学の問題を解くという,いわば受け身的な数学の学習をしている高校生が,「作問」を通じて「どのような内容をそのような形でどのレベルまで問うか」ということを考えることで,数学への理解力が向上すると思われる。
今回の問題集作成についてはすべて生徒が自主的に取り組み,作成した。昨年は物珍しさもあって,生徒の作った問題集を購入して頂いたが,果たして二匹目の泥鰌となるか?と心配したが,昨年とほぼ同じ位の販売となった。「因数分解コンクール」は今回で4回目,「数学の問題集販売」は2回目となったが,ともに本校の科学部数学班の活動として継続してもらいたいものである。

2 因数分解コンクールについて
本校に赴任して3年目であるが,「徳山高校 因数分解コンクール」は今年で4回目,つまり,本校赴任1年前に始まった。当時,本校科学部数学班2次生のN君が始めたということである。N君は現在某国立大学の理学部数学科に籍を置いている。
 ⑴ 第4回因数分解コンクールの問題と解答
次に「第4回 徳山高校 因数分解コンクール」の問題を紹介する。変更点は問題を減らし(昨年は1 次の各式を因数分解しなさいが12問,2 次の問いに答えなさいが3問で計15問あったが,今年は1 次の⑴から⑺を因数分解しなさいと2 次の⑴から⑶を因数分解しなさいの計10問になり,解答時間も20分から15分に短縮された。

字が少々見えづらいので書いてみると上図左下の通りである。また,解答用紙・解答は上図右下の通りである。
 ⑵ 第4回因数分解コンクールのようす
今年の徳高祭はコロナ禍も明けたことで来校者の制限がなくなり,多くの方が来られた。
科学部数学班の部室はないが,理数科の課題研究等で使用される「ドリカムルーム」で週2回活動している。
徳高祭で,数学班会場として割り当てられた教室はここである。
写真①数学班会場(ドリカムルーム)は,オープン前のようすである。写真②因数分解受験上の諸注意ではホワイトボード(大)の裏で班員が提出された解答用紙の採点を行い,写真③只今の得点上位者のホワイトボード(小)には現時点での成績上位者とその得点が表示された。名前はニックネームでも構わない。なお,写真撮影時2位の方は写真⑤受験風景の右の保護者の方(男性)である。写真④マスフェスタポスター(2年分)は,昨年,今年の8月下旬に大阪市の大手前高校で行われた「マスフェスタ」のポスターセッションで使ったポスターである。

左が昨年度の「内接n角形の対角線が作る交点と円の分割部分の最大個数について」であり,右が今年の「九点円の中心と五心の軌跡の関連性」である。折角の機会であるから来校者に科学部数学班の活動を紹介した。

⑶ 参加者の得点について
今回の因数分解コンクールには2日間で40名が参加した。数学班の生徒による採点結果は表の通りである。
100点満点で,平均点は29.3点,最高点95点,最低点0点であった。
今年で4回目になる「因数分解コンクール」に3回関わってきた。関わるといっても問題は生徒がすべて作成し,採点している。解答時間の短さに対して難し過ぎるという意見もあって,多少は易化し,問題数も減った。15分で完答するのはやさしくないだろうが,95点をとる参加者もいたので次回は骨のある問題も入れさせておきたい。これまではコロナ禍のため外部参加者は皆無であったが,昨年から復活した。校内の生徒はもちろんのこと,保護者を含めた大人や他校生も参加してくれたことが嬉しかった。